包括同意について

兵庫県立リハビリテーション中央病院で診療を受けられる患者さん、ご家族様へ
医学・薬学(臨床)研究や教育へのご協力に関する包括的同意・説明書

診療に伴って発生した病気に関する情報(検査結果や試料)の医学・薬学(臨床)研究や教育への活用に関するお願い

はじめに

当院では患者さんに最良の医療を提供できるよう日々努力しております。しかし、医学が発展した現在でも安全で確実な診断、治療法が確立されていない病気も多数あります。そこで、診療に伴って発生した病気に関する情報を、医学・薬学(臨床)研究や教育へ活用できればと希望いたします。現時点では、上記の研究・教育の内容は特定されていませんが、将来利用させていただくことに関して、予めご同意をいただけますようお願い申し上げます(尚、このような同意を、「包括的同意」と称します)。

診療で得られた情報(検査結果や試料)とは

  1. 各種画像:X線、CT、MRI、PET、内視鏡、超音波、シンチグラフィー、手術中の写真、動画など
  2. 血液、尿、喀痰、胸水、腹水、髄液などの体液から得られた検査結果
  3. 生検組織(内視鏡、針生検など)
  4. 手術で摘出した組織・機器
  5. 分離された微生物(細菌、ウイルスなど)
  6. 診療に関連した医学記録(カルテ)、看護記録、リハビリテーション実施記録、各種評価、指導記録、薬学記録など

情報をどのように研究、教育に役立てるのか

  1. 病気の原因や性質を調べる
  2. 病気の診断方法を改良する
  3. 薬の効果判定を行う
  4. 治療法、手術法を改良する
  5. 研究成果を学会、科学専門誌へ発表する
  6. 医師、看護師、薬剤師、学生、市民などへ講義・講演を行う、など

自由意志による同意・不同意、同意撤回について

この文書で協力をお願いする内容について同意されるかどうかは、患者さん(あるいは代諾者)の自由です。 ご自分の考えに基づいてご判断ください。ご承諾いただいた場合に発生する患者さんへの直接の利益・不利益はありません。また、ご承諾いただけなかった場合にも、それによって診療上の不利益を被ることは全くありません。また、いったん同意されても今後いつでも撤回することができます。同意の撤回を希望される場合は、別紙の「同意撤回書」を担当医に提出してください。その場合、診療に必要とする以外の情報・試料は速やかに廃棄します。ただし、既に公表されたものや統計データとして使われた情報は廃棄できません。また、研究によって得られた情報や、その公表過程で生じた知的財産権は、当院と研究者の帰属となり、患者さんには供与されません。

個人情報の保護

当院においては、病気に関する情報は適切な管理のもとに厳重に保管し、許可されたものだけがこれらを取り扱うことができるようになっています。また、診療、研究、教育以外の目的で使用されることはありません。すべての情報は匿名化して取り扱われ、法令等の趣旨に則って個人情報が保護されます。

同意を受ける時点では特定されなかった利用目的等が新たに特定された場合

保管した病気に関する情報の利用目的等が新たに特定された場合には、研究者は研究計画書を作成し当院の倫理委員会に提出します。倫理委員会では、それがこの包括同意を受ける時点でご説明した想定される利用目的等の範囲内かどうかを審査し、もしこの説明の範囲を超えていると判断された場合は、改めて患者さんに研究の説明を行い新たな同意取得が行われます。また、倫理委員会で承認が得られない場合には使用されません。利用目的等が新たに特定された臨床研究等の内容は、当院のホームページ上に公開します(臨床研究等のページへ)。病気に関する情報を活用して行われた研究や教育についての具体的な内容を知りたい場合には、各科部長、主治医を通して説明を受けることができます。

費用について

通常の診療に係る費用は通常通りお支払いいただきますが、病気に関する情報が医学・薬学(臨床)研究や教育に使用される際に別途の費用の請求はありません。また、逆に情報の提供者に謝礼が支払われることもありません。

最後に

今後、より良い医療を提供するために、病気に関する情報や試料を研究・教育へ利用することについて、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
なお、ご不明な点がございましたら、担当医にご相談ください。