失われた機能をロボットテクノロジーで補い
日常生活への復帰を支援

事故や疾病などによる四肢切断、脊髄障害といった運動器に重度の障害を有する方々に、ロボットテクノロジーをリハビリテーション手段として活用し、 失われた機能の改善や機能を代償することで、日常生活への復帰を支援するために設立された専門施設です。

MISSION

ロボットリハビリテーションセンターの創設

ロボットリハビリテーションセンターは2011年に、ロボットテクノロジーをリハビリテーション手段として活用し、効果的なリハビリテーション手法を提供することを目的として設立されました。
最近は、リハビリテーションの中にロボットを取り入れる試みがいろいろな施設でなされるようになっていますが、当センターは全国に先駆けてこの取り組みを推進してまいりました。

リハビリテーション中央病院では、1968年の開設以来、脊髄損傷や四肢切断といった身体機能に重度の障害を有する方々に対してリハビリテーションを提供し、地域社会での生活復帰や職業復帰を支援しています。
そのような方々にリハビリテーションを提供する中で、世界初のコンピュータ制御義足の開発や、全国に先駆けた筋電義手の導入など、隣接する福祉のまちづくり研究所などと連携しながら、ロボット技術の臨床現場への導入を推進してきた経緯があります。

実用性・有効性を追究する

実際にロボットを臨床の現場において活用するには、それがいかに優れたロボットであっても、適切な患者さんに対して適切な使用方法で用いなければ、十分な効果を発揮することはできません。ロボットの機能を十分に活用し、実際に患者さんの役に立つことがロボットリハビリテーションセンターの重要な役割です。

ロボットがリハビリテーションにおいて適切に活用されれば、障害を有する患者さんの失われた能力を改善させること、あるいはロボットが失われた機能を代償して日常生活の不便を解消していくことにつながります。体系的なリハビリテーション戦略を立て、有効性を実証し、臨床現場に広く応用できる活用法を構築するために、ロボットリハビリテーションセンターは日々取り組んでいます。

脊髄損傷患者の歩行機能回復をサポートする専門施設「歩行再建センター」について

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Message
ロボットリハビリ®の推進を目指して

ロボットリハビリテーションセンター長 陳隆明の顔写真

近年、リハビリテーション(以下リハビリ)医療の分野に最先端のロボット技術が導入され、次々に高機能なロボット機器が開発され治療に供することが可能となりました。障がい者の機能改善や機能再獲得にロボット技術は革新的な貢献をするであろうことは想像に難くありません。事実、巷でも「ロボット」という言葉をよく耳にするようになりました。しかし、ロボット技術を用いたリハビリの歴史はまだ極めて浅いものです。我々はリハビリ医療の分野において全国のどの施設よりも先駆けてロボットリハビリテーションセンターを2011年に開設し、多様なロボット技術を障がい者のリハビリに適用してきました。そして「ロボットリハビリ®」は我々の登録商標でもあります。

ここで、当センターで行っている代表的なロボットリハビリ®を紹介します。
1つ目は、上肢切断者に対する筋電義手(ロボットハンド)を用いた訓練です。全国で初めて成人の筋電義手訓練を本格的に臨床に導入し、日本の医学史上で初めて0歳児に対する筋電義手の臨床応用を実現しました。
2つ目は、下肢切断者に対するコンピュータ制御の義足を用いた訓練です。
3つ目は、脊髄損傷(不完全麻痺)者に対するロボットスーツHALを用いた歩行訓練です。2021年には新たに最先端歩行再建センターを創設し、ロボットスーツHALとオットーボック社が開発したロボット装具であるC-Braceを組み合わせ活用した脊髄損傷(不完全麻痺)者に対する革新的なリハビリプログラムの開発に取り組んでいます。これは脊髄損傷の再生医療後の歩行の再獲得を見据えたものです。

先進的なロボット技術をリハビリ手段として有効に導入・活用することで、これまでにない素晴らしいリハビリ成果を期待することができます。そのためには、ロボットリハビリ®が適切に行われることが大前提となります。そして、ロボットリハビリ®を支えるための医療保険制度も必要となってきます。我々はロボットリハビリ®のトップランナーとして、先進的な取り組みを志し、常に時代のニーズに沿えるようその使命を果たすべく邁進します。

センター長 陳隆明

スタッフ紹介

Mitsunori Toda
戸田 光紀

整形外科医長(兼務)
リハビリテーション科医長(兼務)

戸田光紀医師の顔写真
学歴
  • 2005年 神戸大学医学部医学科 卒業
  • 2014年 神戸大学大学院医学系研究科 修了
主な経歴
  • 2005年 神戸中央市民病院
  • 2007年 神戸大学医学部附属病院 整形外科
  • 2012年 神戸大学整形外科研修プログラム 修了
  • 2013年 兵庫県立リハビリテーション中央病院
認定資格等
  • 日本整形外科学会 整形外科専門医・運動器リハビリテーション医
  • 日本リハビリテーション医学会 専門医・指導医
  • 公益財団法人日本障がい者スポーツ協会公認 障がい者スポーツ医
  • 日本義肢装具学会 義肢装具専門医
  • 義肢装具等適合判定医
所属学会
  • 日本整形外科学会
  • 日本リハビリテーション医学会
  • 日本脊髄障害医学会
  • 日本義肢装具学会
  • The International Society for Prosthetics and Orthotics (ISPO)
Takashi Oshima
大島 隆司

整形外科医長

大島隆司医師の顔写真
学歴

2006年 鳥取大学医学部医学科 卒業

主な経歴
  • 2006年 神戸大学医学部附属病院 初期研修医
  • 2008年 神戸大学医学部附属病院 整形外科
  • 2019年 兵庫県立リハビリテーション中央病院 整形外科
認定資格等
  • 日本整形外科学会 整形外科専門医・運動器リハビリテーション医
  • 日本リハビリテーション医学会認定専門医・認定臨床医
  • 公益財団法人日本障がい者スポーツ協会公認 障がい者スポーツ医
  • 義肢装具等適合判定医