兵庫県リハビリテーション協議会

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会長のあいさつ

会長のあいさつ
 平成29年度の今「リハビリテーション」が、新たに脚光を浴びつつあると感じています。それは、団塊の世代が後期高齢者になり始め、超高齢社会が現実となる2025年問題への対応として、「地域包括ケア」というシステムがおよそ10年前に提案され、そのシステム作りに当たって、それを支える重要な理念や手法として、リハビリテーションが新たに注目されているということです。
 しかし、この「地域包括ケア」の対象は提唱された平成20年頃は、高齢者だけで、障害者を含まないというのが国の見解でしたが、この数年は、障害者や子供を含めた全ての住民を対象としたものと変化しており、全ての住民を対象とすると言う地域リハビリテーションの概念にもそうものとなってきています。
 このような中で、28年度に第18回を迎えた協議会の中心的活動である兵庫県総合リハビリテーションケア研究大会では、「『活動・参加』その人らしい暮らしを実現するー障害者差別解消法を追い風に−」というテーマで研究会を開催しました。大会長は、NHKの画期的バリアフリー番組「バリバラ」の玉木幸則さんが引き受けてくださり、障害者が単に支援を受ける対象としてではなく、ともに活動する仲間とし、障害当事者が大会の企画や発表をしていただきました。協議会には、今までも当事者団体の代表にも理事になっていただいていますが、当事者中心の大会はこれが最初です。大会では、障害者差別解消法を障害当事者と支援者の両方立場から、現実的な対応について議論がされ、障害者が65才担って、介護保険サービスに移行する場合の課題とその対応についても、議論がされました。
 一方、災害時の高齢者。障害者支援にリハビリテーションの視点の大切さが、東日本震災によって、再認識され、その対応としてJRAT(Japan Rehabilitation Assistance Team 大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会)という組織も結成されています。  阪神淡路大震災の経験を持つ兵庫県のリハビリテーション協議会としても、昨年熊本地震の経験を貴重な教材として、災害時の高齢者、障害者支援としての災害時リハビリテーションの在り方にも、取り組んでいく必要性を感じています。
 リハビリテーションと言う概念や手法は、日本の直面する「超高齢社会」と「災害多発国」という課題への対応になくてはならないものです。兵庫県リハビリテーション協議会は県や関係団体の参加と支援で成り立っているネットワーク組織ですが、そのネットワークの強みを生かして、いろいろな立場の方々に協議会に主体的係わっていただいて、まさにこの両課題を過去から現在にわたって経験している県協議会として、具体的で実行のある活動を進めていきたいと思っています。多くの県民の方々の参加をよろしくお願いします。

協議会会長 柳 尚夫(兵庫県豊岡保健所長)

兵庫県リハビリテーシヨン協議会会長と前会長 左:柳尚夫会長 右:澤村誠志前会長

第18回兵庫県総合リハビリテーションケア研究大会にて 第18回兵庫県総合リハビリテーションケア研究大会にて

兵庫県リハビリテーション協議会がかかえる問題点と会員参加へのお願い
澤村誠志前会長

 兵庫県リハ協議会は、理事会及び会員の皆様、さらに県当局のご支持により、これまで40年近く継続し、この活動が全国の注目される存在となって発展してきました。しかし、一方ではこの協議会を支える会員数は伸び悩み、また、リハ協議会の事業が総合リハ・ケア研究大会に偏っており、会員としてのメリットが少ないなどのご批判をいただいています。今こそこの協議会の活性化が必要であり、次世代によるワーキンググループの設置などによる本協議会の再構築が必要と考えます。そのために、まず、会員の皆様に本リハ協議会の内情をご理解いただくための情報開示の一歩として「ホームページ」を立ち上げ、将来に向けてより詳しいリハ・ケアに関する情報を会員の皆様にお届けすることいたしました。この機会に是非とも当協議会にご入会いただき、より斬新な情報を共有し、福祉先進県として、ユニバーサル社会の実現に貢献しようではありませんか。