持ち上げない介護
「ノーリフティングケア」

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当法人では、利用者様の高齢・重度化に対応し、さらなる支援の充実を図ることを目的に、「ノーリフティングケア」の充実・強化を推進しています。

ノーリフティングケアとは

利用者様の身体を人の手で持ち上げたり、抱え上げたり、ベッド上で引きずって移動しない介助方法です。車いすやベッドから移乗する際に、リフトなどの福祉機器を適切に使うことにより、介護する側・される側の双方の負担が軽くなるメリットがあります。
利用者様への質の高い介護サービス提供が可能となり、また、介護職員の腰痛予防や介護負担軽減、やりがいやモチベーションアップにもつながっています。

当法人における取り組みのご紹介

当法人が運営している特別養護老人ホームすべての施設を対象とした取り組みで、福祉のまちづくり研究所が主催する「持ち上げない介護推進プロジェクト」に参加し、「ひょうごノーリフティングケアモデル施設」の認定をめざしています。また、法人事務局が主催するフォローアップ研修を受講することで取り組みの振り返りも行っています。
各施設に専門講師を派遣することにより、職員はノーリフティングケアに関する介護技術について、座学や演習を通じて体系的に学んでいます。

令和3年度には、法人内のすべての特別養護老人ホームでノーリフティングケアモデル認定施設として、「ノーリフティング宣言」を行うことを目標に、日々、研鑽を積んでいます。

また、特別養護老人ホームのみでなく、障害者支援施設においてもノーリフティングケアを導入することにより、高齢・重度化が進んでいる利用者様への対応を図ることとしています。

福祉のまちづくり研究所WEBサイト「持ち上げない介護推進プロジェクト」

特別養護老人ホーム万寿の家
(ひょうごノーリフティングケアモデル施設)

令和元年度にモデル施設として認定を受け、「ノーリフティング宣言」しました。
職員派遣または見学や他施設からの研修受け入れ等を通じて、介護技術を発信しています。施設内においても、ノーリフティングケアのさらなる定着を図っていくこととしており、職員一丸となって取り組んでいます。

アセスメントにより利用者様のできる部分は利用者様の力を活用して動作につなげることにより、利用者様の生活行為「活動」の向上につながっています。

また、職員間でも「自分流」介護をなくし、利用者様個々の状態に合わせた統一したケアを行うことによって、利用者様に安心感を持っていただくことにつながっています。

特別養護老人ホーム朝陽ケ丘荘

ノーリフティングケアを推進することにより、①職員の介護観を醸成し、職員間での共通理解を図り、個別支援を推進していくこと、②職員の介護技術及びモチベ-ションを向上させること、③魅力ある職場づくりを行うこと、④腰痛予防を図ることを目標としています。

すべての利用者様のノーリフティングケアに係るプランニングを確立させ、福祉用具の計画的な導入・更新、環境整備を実施し、外部研修を受講したり、施設内研修(技術勉強会等)や他施設見学を行うなどして、日々、研鑽を図っています。

特別養護老人ホームたじま荘
(ひょうごノーリフティングケアモデル施設)

令和元年度から取り組みを始め、令和2年度にモデル施設として認定を受け、「ノーリフティング宣言」しました。
たじま荘では、利用者様、介護職員双方に負担のない体の動き方の基本を繰り返し勉強会で実施しています。一人ひとりの意識を変え、働き方を変えるために、ノーリフティングケアに取り組む組織体制も整えました。

①職員の健康管理、②技術教育、③福祉用具環境整備、④個別アセスメントとプランニングを、目的を持ってチームで実践しています。

特別養護老人ホームあわじ荘

令和元年度に施設内に「ノーリフティングケアプロジェクトチーム」を発足させ、外部研修参加、くにうみの里の作業療法士による指導、内部研修、床走行リフトの購入等に取り組みました。

今後は、モデル施設認定をめざし、技術習得以外にも腰痛予防チェックや施設内の環境整備、利用者様の介護プランに具体的に反映するなどのマネジメントを行い、ノーリフティングケアを定着させ、職員と利用者様双方の負担軽減に努めていきます。

特別養護老人ホーム丹寿荘
(ひょうごノーリフティングケアモデル施設)

令和2年度にモデル施設として認定を受け、「ノーリフティング宣言」しました。
福祉のまちづくり研究所主催の「持ち上げない介護推進プロジェクト」参加職員が伝達研修を行うことにより、職員の技術向上及び意識改革を図っています。

また、ノーリフティングケアをケアプランのサービス内容に位置づけることで、利用者様の個々の状態に応じた安全・安心な介護を利用者様に提供しています。

特別養護老人ホームくにうみの里
(ひょうごノーリフティングケアモデル施設)

令和元年度にモデル施設として認定を受け、「ノーリフティング宣言」しました。淡路圏域の普及推進拠点施設として、ノーリフティングケアを普及させ、技術の向上や浸透を図る取り組みを展開しています。

また、くにうみの里公式サイトには、誰もがノーリフティングケアをもっとやさしく理解できるようにと、くにうみの里の職員が学んだこと、感じたことをイラストで書き留めていた覚え書きを冊子にまとめた「ノーリフティングケア・ノート」を公開し、活用していただけるようになっています。

ノーリフティングケア・ノート ダウンロード
「ノーリフティングケア・ノート」 は、くにうみの里公式サイトに掲載されていますので、ご利用ください。
※データの加工はお控えください

特別養護老人ホーム五色・サルビアホール

利用者様に、より専門的なサービスを提供し、質の高い支援を実践するため、ノーリフティングケアを推進することにより、職員及び利用者様双方の健康と安全を守るとともに、職員の介護技術の向上を図り、腰痛予防等を進めていくこととしています。

また、五色・サルビアホールでは、淡路圏域の普及推進拠点施設であるくにうみの里に職員を派遣して実習を受けたり、施設内研修や環境整備、福祉用具の計画的な導入・更新を実施することにより、ノーリフティングケアの考え方と、施設全体で取り組むことを施設内の職員全員が理解することを目標としています。

障害者支援施設出石精和園第2成人寮

出石精和園第2成人寮では、利用者様の平均年齢が71歳と高齢化が進んでおり、年々ギャッジベッドや車いす利用の方が増えています。令和元年度から職員がノーリフティングケアの研修に参加し、職員の腰痛予防や、利用者様の安全・安心な移乗・移動・褥瘡予防をめざして取り組んでいます。
福祉用具の選定では、当法人での研修や外部研修をはじめ、法人内のセラピスト等専門職員派遣制度において専門性を高め、環境面ではギャッジベッドの導入を進めていきました。

また、利用者様の個々のベッドから車いすへの移乗については、スライディングボードの使用者・ベッド上でのスライディングボード使用者・褥瘡予防のグローブの使用者を選定し、実施しています。

今後も、ノーリフティングの考え方に基づいた、安全・安心な移乗・移動に取り組んでいきます。

その他の障害者支援施設についても、利用者様の高齢・重度化に対応するため、順次準備を進めています。
すでにモデル施設として認定を受けている当法人内の特別養護老人ホームが実施するノーリフティングケアの研修を受講したり、施設内で伝達研修を実施することにより、研修で学んだことを日々の業務に取り入れ、利用者様にも職員にもやさしい支援をめざしています。