I: 睡眠異常 Dyssomnia

乳・幼児期の子どもたちの睡眠障害が、
意欲・学力低下を招きます。
睡眠改善により健全な状態に。

現代社会では年齢を問わず臨床的に、次の二つが問題といってもよいと思われます。

この二つの睡眠障害には強い結びつきがあり、A)が慢性的に持続している状態に、更なる負担(荷)、ストレスが掛かるとき、B)が引き起こされます。つまり過眠型睡眠障害は慢性的睡眠欠乏状態の増悪型と言ってもよいでしょう。睡眠が短いことと過眠状態(眠りすぎる)は表と裏の関係,表裏一体ともいえます。この様な睡眠障害が個人的問題だけではなく、重要な社会問題を引き起こしています。

人はなぜ眠るのでしょうか?これまでの謎ですが、答えは「脳の働きを保つため」だということが分かっています。
睡眠は脳の発達・成長だけではなく機能(働き)を守るためにも大切なものです。睡眠が障害されると脳の発達や働きに問題が起こることは誰にも容易に想像できることです。しかし現代人は睡眠を少しも大事にしてきませんでした。現代社会では脳の正常な働きを脅かす睡眠問題が溢れています。睡眠障害とはただ「眠れない」というだけではなく、質やリズムが悪く「長く眠っていても少しも疲れが取れない」睡眠が含まれます。
既に述べてきましたが、睡眠障害には二段階があります。眠れないことによる睡眠不足症候群とその進行形(増悪型)としての過眠型睡眠障害です。眠りすぎる状態はむしろ、より大きな問題を含むことになります。子どもたちの睡眠背景と普遍的・臨床的で重要な睡眠障害をお示しします。

1:「乳・幼児期睡眠障害は脳の発育・発達を遅らせる」

乳幼児期における睡眠障害

発育・発達の著しい時期、特に乳幼児期の睡眠異常に伴う睡眠欠乏は、何となくおとなしい、キーキーと声が高く不穏状態、言葉の発達が遅れるなど影響が現れます。脳の発育・発達が著しく抑制されることがあり重症では特に運動発達やコミュニケーションに問題が現れ「自閉症」的な症状が出現します(「自閉症」と診断されることがあります)。 乳児期に以下のような状態が見られるときは睡眠に問題があると考える方がよさそうです。 1歳〜1歳6ヵ月を過ぎても、

  1. 夜間睡眠中にしばしば目を覚ます(3回以上)
  2. 一度目を覚ますと1時間ほども起きている
  3. トータルの睡眠時間が9時間より短い
  4. 日中の機嫌が悪くよく泣いている

乳幼児期の睡眠障害は、保護者である母親(稀に父親)の睡眠障害に繋がるため、母親が疲れ果ててしまうことが多く、夫婦の不和、母親のうつ、被虐待に繋がることがあります。また乳幼児の睡眠障害は後に注意欠如多動性障害(AD/HD)、自閉傾向の背景となることと共に睡眠異常が青年期まで繋がってしまうことも報告されていますから早い段階での治療が必要と考えられています。

逆に、保護者の生活リズムが子ども達の睡眠問題を作り出している可能性も低くはありません。夜遅く帰ったお父さんがむやみに子ども達を起こして風呂に入れたり、遊んだりしては、かえって子どもの成長を妨げることに繋がってしまいます。また夜中にコンビニなどの明るい場所へ子ども連れで買い物に行くことも大変有害です。ましてや、夜中に子ども連れで居酒屋で飲んでいるなどは論外です。あまり気にしていない若い保護者も多いようですが子どもの脳の発育・発達には重要な影響を持っています。是非お考え戴きたいと思います。繰り返しになりますが、夜更かしの子どもの脳発育・発達問題として、活動性に乏しい・言葉の発達が遅れる・自閉症と疑われるようなコミュニケーションの問題がある・後に注意欠如多動性障害や学習障害と診断されることが多くなる、事が報告されていることを知っておいて下さい。